健康危機管理

  

過去の健康危機管理事例

健康危機管理事例は常に発生していますが、ここでは規模の大きさ、原因の特殊性などから、過去に起きた特異な事例を原因別にまとめました。

ここに集めた特異な事例の報告では、平凡とも思える日常活動の重要性が指摘されています。特に意図して集めたわけではなく、健康危機管理に対応した各報告を読んでいくと、同じことが主張されていたのでした。

 

健康危機管理を可能にする基盤とは

ここで見た健康危機管理の事例に共通していることは、事態への対応は担当者に応用力があったからでした。マニュアルはあっても、起きた事態に対応できるようなものではなかったのです。広範囲な経済活動が営まれているなかで、何が起きているかを把握し、起こりそうな健康危機をすべて予測し、対応を考えてマニュアルを作成しておくことなどできません。先手を打つには膨大な人的・資金的余裕が必要であり事実上不可能です。そうであるなら、人材を育成して応用力を備えておくことが最も安上がりで確実なのだといえます。各報告をみると、現場の応用力こそが鍵になっていることがよく分かります。

地方衛生研究所の健康危機管理能力を可能にしているものは何か。それは、高い研究レベルだけで担保できるものではなく、応用力を備えた職員や長期にわたるデータの蓄積こそが可能にするのです。このような応用力は、モニタリングなどの日常業務のなかで培われるものです。安易な民間委託によりこの土台が痩せ細れば、必要な応用力も失われていくに違いありません。健康危機管理への対応には、担当者の応用力とそれを培う土台こそが重要なのです。

 

 

 

健康危機管理の基盤
健康危機管理の基盤

2013.8.23